■[r 6] 時変調によるベルリンオリンピック無線写真電送 受信画
(本学会20周年記念絵葉書より)
 

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● 昭和9 年から10年にかけて東京−台北間で時変調(Time Modulation)の実験が進められた(15)。同様の方法はRCA によりCFVD(Constant Frequency Variable Dot) という名称で発表されている。

 昭和11年のベルリン・オリンピック写真電送は時変調を主体に行われた。無線周波数14、665kHz,送信出力7.5kW でスペ−ス・ダイバ−シチ−は必須と報告されている(14)。

 短波無線写真電送開発の歴史はフェ−ディングとの戦いであった。昭和10年ころから戦争勃発までの間は時変調が主流で、わが国の技術が先端にあり、これにより各国との無線電送業務が開始された。

 時変調の技術は今流にいえば、画信号を標本化し、パルス幅変調を施したもので、ディジタル的手法を用いている。そのため、受信画を網点印刷する場合モアレを生じやすいこと、電送時間がかかることなどが欠点で、戦後は副搬送波周波数変調(Sub Carrier FM)が主流となった。

 この発表も日本は諸外国に先んじていたが、実用化は戦時中に米、独に先行された(16)。