■[r 5] NE式写真電送機による即位御大典 受信画
(本学会20周年記念絵葉書より)
 

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● 故丹羽保次郎初代電写研究会長、故小林正次初代画像電子学会長が電気学会誌へ発表した共著論文[a15](10)より複写した。1928年の昭和天皇即位御大典の際、京都から東京へ電送したものである。

 「本邦写真電送の歴史の第1 頁に特記せらるべき、11月6 日、聖上陛下御発輦の朝7 時10分、二重橋前にて御大礼謹写団が撮影した鹵簿の御写真は、御召列車が東京駅を発した午前8 時には、最初のものは既に大阪に電送せられ、9 時半には大阪毎日新聞社は真先に他の記事とともに4 頁大の号外として発行することができた[n ]。・・・引き延ばしが利かないという電送写真に対する従来の心配も事実により破られ・・・半頁大に延ばしたことも稀でなかった。」と論文に述べてあり、関係者の労苦と満悦の情が伺える。

 NE式は光学的チョッパーによる変調、電磁オッシログラフによる電光変換、交流同期機・直流機直結モーター,伝送同期方式等を特徴とするもので安定性に優れていた。御大典の際はドイツのジ−メンス式、フランスのベラン式、なども実用あるいは試用に供されたが、電気通信装置の大部分が輸入品であった時代に、純国産のNE式写真電送装置が、輸入品を圧倒する成果を得たことは、わが国の電気通信界に大きな刺激を与えた(f 4)、(11)。