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2013.9.3更新

  画像電子学会 第36回秋期セミナー
    テーマ:「コンピュータグラフィックス」執筆者による最新技術解説

■趣旨:
 CGの教科書として長年にわたって高く評価されている,コンピュータグラ
フィックス(発行:CG-ARTS協会)が来年大改訂される予定です.本セミナー
は,その執筆陣が,新しく追加掲載する最新技術を中心に内容を解説するもので
す.最近10年余りの研究成果の中から,一過性の流行ではなく,将来にわたって
長く定着して使われる可能性の高い技術を厳選して紹介します.

■対象:
・CGに関する最新技術を習得したい方,CGに興味を持つ学生の方.
・CG技術の教育を行っている教員の方.
・企業の第一線で活躍されている方,および入社数年の研究開発者の教育用にも
ご利用ください.

■開催日時: 2013年 9月13日(金) 9:30〜18:00

■開催場所: 慶應義塾大学 日吉キャンパス 来往舎 シンポジウムスペース
(〒223-8521 神奈川県横浜市港北区日吉4丁目1番14号)
http://www.keio.ac.jp/ja/access/hiyoshi.html

■参 加 費: 
会   員(賛助会員,協賛学会会員を含む)              12,000円
非 会 員                                             15,000円
学    生(大学院生を含む)・参与(旧長期継続特典利用の方)       3,000円
*参考書籍として現行版「コンピュータグラフィックス(税込価格3,360円)」を
当日の学習用として特別割引にて販売いたします.参加申込時に「書籍希望」と
明記してください.
*1名につきの価格です.参加者には講演資料のテキスト(モノクロ)とカラー
で見やすいDVDによる講演資料の電子ファイル(パスワード 付)を用意する予定
です.(振込み手数料はご負担下さい)

■ 定 員:100名(定員になり次第締切りますので,お早目の申し込みをお願い
致します)

■ 申込み先等:
〒116-0002 東京都荒川区荒川3-35-4 ライオンズマンション三河島第二 101号室
     画像電子学会「第36回秋期セミナー事務局」
     E-mail:kikaku@iieej.org TEL  03-5615-2893  FAX  03-5615-2894
下記事項をご記入の上,FAX又はE-mailにてお申し込み下さい.
  タイトル:第36回秋期セミナー申し込み
  参加者氏名,会社/大学/団体名,所属部課名,資格(会員 賛助会員/学
生会員/非会員 協賛学会名など)
  連絡先(郵便番号,住所,電話,FAX,E-mail など),書籍の有無,請求
書の有無

■ 主 催:画像電子学会

■ 共 催:慶應義塾大学理工学部

■ 後 援:CG-ARTS協会(公益財団法人 画像情報教育振興協会)

■ 協 賛:日本印刷学会,日本画像学会,日本写真学会,映像情報メディア学
会,情報処理学会,電気学会,電子情報通信学会,日本図学会

■ プログラム
9:30-9:35 開会挨拶  藤代 一成(慶應義塾大学)

9:35-9:45 全体説明:「コンピュータグラフィックス」改訂のポイント   
       藤代 一成(慶應義塾大学)
 この10年間のコンピュータグラフィックス技術の発展は著しい.その現状を反
映させるべく2014年秋に予定されている書籍改訂のポイントについて,編集委員
長の立場から概説する.

9:45-10:35 ディジタルカメラモデル(1章), 座標変換(2章)
       ― 新しい時代の描画パイプライン ―
       乃万 司(九州工業大学)
 ここ10年のCGの大きな変化の一つは,(プログラマブル)シェーダーの普及で
ある.CGの基礎となる処理のパイプラインにおいても,従来のソフトウェア処理
を反映したパイプラインだけでなく,シェーダーの利用を意識した説明が必要に
なる.本講演では,新版テキストにおけるこのような改訂について解説する.

10:35-11:10 モデリング(3章)                     
        高橋 成雄(東京大学)
 CGにおける対象物の形状データを作成する手法である「モデリング」につい
て,現状のテキストの記述を概観する.加えて,曲率に基づく設計手法や陰関数
による形状表現など,最近のモデリング技術の進展について解説する.

(11:10-11:25 休憩)

11:25-12:00 レンダリング(4章)                    
       馬場 雅志(広島市立大学)
 レンダリング関係の話題について,最近の研究成果であり,かつ今後も使用さ
れる可能性の高い技術について概説する.具体的には,大域照明モデルにおける
フォトンマッピング以降の技術(プログレッシブフォトンマッピングなど),イ
メージベーストレンダリングにおけるイメージベーストライティングの最新手法
などを紹介する.

12:00-12:35 アニメーション(5章)
       宮田 一乘(北陸先端科学技術大学院大学)
 アニメーションの基本原理から,キーフレーム法や手続き型アニメーションな
どの基礎技術を簡単に紹介する.さらに,実写との合成法や,物理ベースアニ
メーション,ゲームに用いられるリアルタイムでの物理計算法,AI技術とアニ
メーションの関係など,比較的新しい技術を解説する.

(12:35-13:45 昼食)

13:45-14:20  画像処理(6章)                     
        斎藤 隆文(東京農工大学)
 コンピュータグラフィックスを習得し利用する上で必要な,2次元画像処理の
基礎について解説する.画素ごとの濃淡変換と色変換,領域に基づく画像変換,
画像の幾何学的変換などの基本的画像処理に加え,CGの一分野として近年特に重
要性が高まりつつある種々の画像編集処理についても述べる.

14:20-15:25 視覚に訴えるグラフィックス(7章)
−カメラの基礎とコンピューテーショナルフォトグラフィー(7.1節)−   
       斎藤 隆文(東京農工大学)
 コンピューテーショナルフォトグラフィーは,撮像素子で記録された像に対し
て情報処理を施すことにより,従来のカメラでは不可能な様々な機能や性能を実
現する技術である,カメラ撮影の基礎(露出やフォーカス)について解説した上
で,コンピューテーショナルフォトグラフィーの基本的な考え方と,いくつかの
応用例を紹介する.

−ノンフォトリアリスティックレンダリング(7.2節)−          
       斎藤 隆文(東京農工大学)
 ノンフォトリアリスティックレンダリング(NPR)は,絵画やイラストのよう
に,強調や省略を施した非写実的な画像を生成する技術である.NPRは多種多様
な手法により実現されるが,それらを描画目的,入力データ(特に3次元形状
データの有無),ユーザ介入,動画対応,変形などの観点から分類し,その概要
を紹介する.

−可視化技術の進展(7.3節)−                     
       藤代 一成(慶應義塾大学)
 各種の計測やシミュレーションから生成される数値データやインターネット上
のデータ資源の構造や振舞いを視覚的に理解するための可視化技術の本質に触
れ,さらにその進展を俯瞰する.

(15:25-15:40 休憩)

15:40-16:05 知覚(appendix1)                     
       高橋 成雄(東京大学)
 CGにおける画像生成技術は,それを見る人の知覚に基づき定式化されているこ
とが多い.ここでは,そのような人の視覚の基礎について概観し,関連するCG画
像生成技術について,最近の技術進展も含めて言及していく.

16:05-16:30 知的財産権(appendix2)
       −平成21年度,24年度改正著作権法について−   
       後藤 道子(九州大学)
 知的財産権については保護対象や権利についての基本的知識が重要だが,平成
21,24年度に著作権法の大規模改正が行われたので,それらを中心に解説する.
平成21年度は,情報解析研究のための複製等に係る権利制限規定を含む「イン
ターネット等を活用した著作物利用の円滑化を図るための措置」,平成24年度
は,「いわゆる「写り込み」(付随対象著作物の利用)等に係る規定の整備
」,「著作権等の技術的保護手段に係る規定の整備」,「違法ダウンロードの刑
事罰化に係る規定の整備」等.

16:30-17:05 CGシステム(8章)
−3Dプリンティング技術−
      杉本 麻樹(慶應義塾大学)
 CGシステムに関連する動向として,近年,注目の集まる3Dプリンティング技術
の概説を行う.3Dプリンティングを活用した研究プロジェクトの例や基礎的な造
形手法の説明を交えながら,三次元造形技術の動向を紹介する.

−CGシステム−
      金井 崇(東京大学)
 CGシステムのうち,特に新版において大きな変更を予定している箇所を重点的
に解説する.特に,以下の3つのキーワードに基づいて話を進める予定であ
る.1. アナログからデジタルへ 2. GPUの進化と普及 3. CGソフトウェアの多様化.
                              
17:05-17:30 CGの歴史(appendix3)−人文科学的にCGを考える−      
      大口 孝之(映像ジャーナリスト)
 「CGの歴史」の章を改訂するに当たっては,これまでのアイバン・サザーラン
ドのスケッチパッドに始まる直線的な流れだけではなく,個々の応用分野から
遡って見たルーツについても取り上げる.また今回の講演では,世間一般の人々
がCGに感じ始めている“違和感”について考察してみたい.そのためにはCGを工学
的視点だけではなく,人文科学(歴史学,美学,芸術学,文学,心理学)などの面
からも考えることの必要性について述べる.

(17:30-17:35 休憩)

17:35-17:55 総合討論

17:55-18:00 閉会挨拶 柿本 正憲(東京工科大学)